【1】申請方法(大阪市の場合)
■ 誰が申請する?
- 申請者は法人格を持った運営者(例:NPO法人・合同会社など)
- 申請先は【大阪市福祉局 障がい者支援課】
※事業所の場所がどの区にあるかで、所管の区役所(保健福祉センター)が変わります。
■ 申請の流れ
ステップ | 内容 |
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①事前相談 | 大阪市に「事前相談」を申し込む(建物・人員・運営体制を説明) |
②申請書類の準備 | 法人登記簿・運営規程・体制図・人員資格証明・物件図面などを準備 |
③申請書提出 | 指定申請書一式を市役所へ提出(電子申請+郵送) |
④書類審査・現地確認 | 図面や人員体制の審査+現地確認(消防設備や部屋の構造) |
⑤指定通知・受理 | 要件クリアで指定決定(事業者番号付与) |
⑥サービス提供開始 | 指定後、利用者受け入れ→報酬請求開始 |
■ 申請に必要な主な書類
- 法人登記簿謄本・定款
- 運営規程・重要事項説明書・契約書ひな形
- 建物図面(平面図・面積入り)
- 消防法適合通知
- 賃貸契約書(所有者との契約書)
- 人員の資格証・勤務体制表・研修計画
- 収支計画書
- 住民からの同意(※エリアによって求められることあり)
【2】部屋(建物)の条件・構造要件
グループホームで使用する建物には、国基準+大阪市独自基準があります。
■ 物件の基本条件(厚労省基準)
条件 | 内容 |
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個室の広さ | **6.6㎡以上(4畳半以上)**必須 |
戸締り | **居室ごとに鍵付き(プライバシー)**が必要 |
水回り | 台所・トイレ・洗面所・浴室が適切に設置されていること |
居住形態 | 一戸建て・アパート・マンションいずれも可能(ただし戸数制限あり) |
耐震基準 | 昭和56年6月1日以降の新耐震基準に適合が必要(または耐震診断書) |
消防設備 | 自動火災報知器、誘導灯、避難経路の掲示など(消防署に相談) |
騒音・近隣対応 | 住宅街や学校・病院・保育所から距離が近い物件は事前協議要 |
■ 推奨される物件構成例(定員4人の一軒家)
スペース | 推奨内容 |
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居室(4室) | 6.6㎡以上、エアコン・カーテン・収納完備 |
共用リビング | 10㎡以上推奨、テーブル・椅子・TVなど |
キッチン | IHまたはガス・冷蔵庫・電子レンジあり |
浴室・トイレ | バリアフリー(手すりなど)、清潔感ある設備 |
夜勤スペース | スタッフ用の仮眠室や見守りモニターあり |
外構 | 駐車スペース、防犯対策、ゴミ置き場明示など |
■ 注意点(落ちやすいポイント)
よくあるNG | 解説 |
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居室が6.6㎡未満 | 押入れ・収納含めない純粋な面積で審査される |
間仕切りが薄い | プライバシー確保ができないと却下される |
鍵がかけられない個室 | 個人の意思が尊重されない構造はNG |
消防設備の不備 | 自火報(自動火災報知器)・誘導灯・非常口が未整備 |
老朽化が著しい | 安全性や衛生面で不適格とされる場合あり |
【3】補足:大阪市特有のポイント
- 物件の近隣説明が必要になる場合あり(自治会など)
- 「民家型GH」と「集合住宅型GH」で要件が異なる
- 大阪市独自の加算や相談体制もあるため、区役所福祉課と事前調整がベスト
【1】グループホームの運営規程とは?
運営規程とは、「このグループホームはこうやって運営していきます」というルールブックであり、指定申請時に必須の提出書類です。以下に構成例とひな形概要を紹介します。
■ 運営規程の構成例(共同生活援助)
項目 | 内容の一例 |
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第1条(目的) | 障がい者の地域生活支援を目的とする |
第2条(事業所の名称及び所在地) | ◯◯グループホーム、大阪市〇〇区〜 |
第3条(サービスの種類) | 共同生活援助(介護サービス包括型または外部サービス利用型) |
第4条(運営方針) | 利用者の自立・尊厳・安全を尊重する |
第5条(対象者) | 障がい支援区分3以上の知的・精神障がい者など |
第6条(利用定員) | 定員4名など |
第7条(職員体制) | サービス管理責任者、世話人、夜間支援員の配置体制 |
第8条(提供時間) | 24時間体制、夜間対応可 |
第9条(苦情対応) | 苦情窓口の設置、第三者委員の設置など |
第10条(費用) | 家賃・食費・日用品等の実費を記載 |
第11条(非常災害対策) | 火災・地震時の避難マニュアル整備など |
第12条(個人情報) | 利用者情報の守秘義務・取扱ルール |
附則 | 規程施行日、変更時の対応など |
■ ワンポイント:作成時の注意点
注意点 | 理由 |
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事業形態に合った文言にする | 包括型・外部型・日中サービス支援型でルールが異なる |
語尾は「〜するものとする」で統一 | 形式面でのチェック項目に含まれる |
法改正への対応が必要 | 例:運営推進会議の設置義務化などに注意 |
料金表と整合性を持たせる | 家賃・食費等が不整合だと差し戻される |
【2】利用者募集のコツ(リアルに入居者を集める方法)
グループホーム開業後、いちばん苦労するのが「利用者の確保」です。以下に実践的な募集ルートとテクニックをまとめました。
■ 主な募集ルート(信頼構築が重要)
募集元 | 解説 |
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相談支援事業所 | 最重要ルート。担当者と連携し信頼を得ることがカギ。 |
地域包括支援センター(知的・精神) | 支援が必要な方の情報が集まる場所。挨拶周り必須。 |
市役所・福祉課 | 市の相談支援員経由で紹介を受けられる場合あり。 |
医療機関・精神科病院 | 退院予定者や通院者の地域移行支援の相談が多い。 |
障がい者就労支援施設 | 日中通所者に向けた住まいの案内ができる。 |
家族会・支援団体 | 保護者向けの案内も有効(チラシ・説明会など) |
■ 募集で成果を出すためのコツ
コツ | 解説 |
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地元の相談支援事業所に個別訪問 | 一斉DMではなく「訪問+パンフ持参」が効果的 |
ホームページで信頼感を出す | 利用者の暮らしの様子を写真付きで紹介すると強い |
家族会でのPR | 精神障がい者の親向け家族会で話をする機会を作る |
体験入居制度 | お試し入居(1泊2日など)で安心感を提供 |
加算情報を理解してアピール | 自立支援加算や地域移行加算を活用し「支援の幅」を伝える |
■ 実例:パンフレットに入れると効果的な文言
- 🌱「一人じゃない暮らしを、あなたらしく。」
- 🏠「精神・知的に不安があっても、ゆっくり安心できる場所」
- 💬「まずは1泊の体験入居からはじめませんか?」
必要であれば、以下も提供可能です:
✅ 運営規程のテンプレート(Word)
✅ 利用者募集用パンフレットの文言案
✅ 地元の相談支援事業所リスト作成(大阪市内)
✅ スタッフ求人チラシのテンプレート